会社のコンプライアンスと企業統治

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会社のコンプライアンスと企業統治

1.コンプライアンスと企業統治とは?

企業コンプライアンスとはコーポレートガバナンスの基本原理の1つと言われます。
「コーポレートガバナンス」とは一般に「企業統治」と訳されています。企業統治とは、企業の不正を防止して、収益力等の向上を図ることなどを総合的にとらえて、企業価値全体の増大を測る仕組みということです。その中にあって、基本となる「法令順守」がコンプライアンスです。

2.コンプライアンスの重要性

企業統治は企業価値増大、コンプライアンスはその中核でどちらも大事です。コンプライアンスは狭義の法令のみならず、社会倫理や企業倫理も含めた広義にとらえると分かり易いと思います。狭義にとらえる考え方もありますが、脱法行為など企業の信用を失墜させるモラル違反のリスクも考慮されるべきだと考えます。

平成27年3月27日の大塚家具の株主総会は注目を集めました。その中で同社会長は「社長が企業統治を間違えた」等発言されたようです。一般には、会長と社長の対立は企業の経営方針を巡る見解の対立かのように言われましたが、それがひいてはコーポレートガバナンスに対する考え方の相違でもあったようです。
このように、企業統治は会社にとって大きな問題です。また、コンプライアンスについては、「みずほ銀行」の暴力団関係者への融資問題やホテルのメニュー表示の誤表記が社会問題となっていました。こうした違反行為があると、企業は絶大なダメージを受けます。各社とも役員がいろいろな社内処分を受けることになりました。そうした事態に至らぬように、会社にあっては、関連する法規を守って(会社法・民法・刑事法・労働法・各種の業法・その他一般法規順守)、従業員全体にもこれを徹底させねばならないという内部統制システムの構築義務が課せられるのです(会社法348条4項・362条3項)。取締役ないし執行役員、監査役などには善管注意義務や忠実義務が課せられます(同330条・355条・会社法施行規則98条・金融商品取引法24条の4の4)。今回の会社法改正などもコーポレートガバナンスを重視して、社外取締役などによるチェック機能働かせようと意図しているようです。

3.コンプライアンス違反事例

最近の事例では、東芝の不正経理を巡って、平成27年12月5日に株主50名が不正会計のために株価が4割近くも下落して損害を被ったとして、損害賠償を求めて提訴したと言うことです。今後大阪や福岡でも同様の株主による提訴が予定されているそうです。また、旭化成建材の杭打ち施行データ改ざんに関しても問題になっています。原因究明が追及されているようですが、会社のモラルの大切さを真摯に考えるべき時ではないでしょうか。

4.内部告発と公益通報者保護法

会社内部のものが、組織ぐるみの不正を是正してもらうため監督官庁などへ告発することを内部告発と言いますが、このように公益のための行為であっても、企業側にとっては、会社にたてつく不都合な人間として、退職を迫られたりすることがあります。そこで、こうした内部告発者を守るために、2006年4月1日に公益通報者保護法が施行されました。

大阪弁護士会でも、公益通報者サポートセンターを設けております。ただ、現在この法律が十分活かされているかというと、告発を受けた官公庁の側で必ずしも適切な対応ができているとは言い難く、告発者の氏名を簡単に企業へ通知してしまったりするとか、告発を受けながら放置したままで何の対応もしていないなど、不適切な事例が散見されるのは残念なことです。

東京証券取引所のコーポレートガバナンスコードは最近改定され、改定後のコーポレートガバナンスコードが2018年6月1日から実施されました。これによって企業が客観性、透明性を得られるか、取締役会が適切な知識経験などを備えうるのかを考えると、人材確保の難しさを感じます。

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