接見交通について

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接見交通について

1、接見交通権とは

分かり易く言えば、未決拘禁者が、弁護人等と面会して事件に関して助言を受けたり、教えてもらったりなどして援助を受けるために認められた権利です。刑事訴訟法39条に規定があります。
身体の拘束を受けている(逮捕勾留されている)被疑者・被告人は弁護士等(弁護人となろうとするもの)と立ち会いなく接見できる権利です。また、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」にも刑事収容施設に拘禁されている者について、面会に関する規定があり(同法115条以下)、弁護人以外の者との面会には立ち合いがあることも規定されています。
接見などは、逮捕されるようなことはしないから無関係だと思われるでしょうが、痴漢と間違われたり、人違いで逮捕されたりすることもありうるので、必ずしも無関係ではないかもしれません。

2、接見交通の場での写真撮影について

接見中の弁護士が、被拘禁者が発作を起こしたのを見て、精神鑑定の証拠にしようと考えて、所持していたカメラで撮影しようとしたところ、これに気付いた係員から退室を求められ、接見を中断されたので、その損害に対して国家賠償の請求をした訴訟について、平成27年7月9日東京高裁判決では、弁護士が接見時拘禁者の写真撮影することは、接見の概念に含められないとして、訴えを棄却しました(1審では収容法違反として10万円限度で認めた)。実際、私ども弁護士が接見室へ入る時も、スマホ、携帯電話はロッカーへ預けるよう求められ、写真撮影は認められません。判例は写真撮影は証拠保全が可能だから、その手続きに従えばよいと考えているようです。しかし、発作が起きた状況などは、その時その場でしか撮影できません。しかもスマホ一つで簡単に動画も撮れるので、取り調べでさえ録音録画される現在、これを禁じるのは時代に逆行する発想と感じます。写真撮影が証拠隠滅につながるなどと言うのであれば、その対策を講じた上で認めることは可能と思います。中央大学法科大学院の客員教授の横井弘明氏が、ある論文内で、弁護人による接見室内での写真撮影は許されるべきであると述べておられるのを読んで意を強くしました。

3、最近の判例について

その後同種判決を見ますと、平成28年5月13日佐賀地方裁判所の判決(平成25年「ワ」365号)も、一部認容一部棄却で、写真撮影制止は違法違法でないが、接見交通の侵害があるとして一部の損害賠償を認めています。内容を見ますと、写真撮影が罪証隠滅につながるとか、保安上の問題があるという被告側の主張より、写真撮影は接見における情報交換の手段の一つであると言う原告(弁護人)側の主張の方が説得力があると感じました。

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