法律豆知識

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18 05, 2018

刑法改正

性犯罪について、罪名や内容・罰則なども変りました。平成29年(2017年)6月23日公布、同年7月13日から施行の刑法改正です。 近年の実情に合わせての変更とされます。 1、まず、強姦罪という罪名が無くなり、「強制性交等罪」となりました。つまり、被害者は女性のみならず性別を問わない、行為も肛門性交・口腔性交等も含まれます(法177・178条)。 2、法定刑も3年以上の有期懲役から5年以上の有期懲役と重くなりました(強制性交にかかる致死傷罪は、無期または6年以上の有期懲役)。 3、親告罪は廃止されて非親告罪となったので、告訴がなくても起訴できるようになりました(法229条)。 4、新たに監護者わいせつ罪・監護者性交罪が新設されました(法179条)。 5、従前、「強盗が女子を姦淫した」とあった規定を強盗行為との前後を問わず、強制性交等罪を犯した者が、強盗した場合も、強盗をした者が強制性交等罪を犯した場合も「強盗・強制性交等罪として、無期または7年以上の懲役」としました(241条)。

27 09, 2016

刑事訴訟法の改正

1、 刑事訴訟法とは、刑事事件の捜査公判(裁判)の手続きに関する法律です。 刑事訴訟法は、今までにも何度か改正されています。比較的最近の大きな改正では、被害者参加制度があります。今回の改正は、取り調べに関するもので重要なものが含まれますが(取り調べの録音・録画を認めた)、他に通信傍受に関するもの、被疑者国選に関するものなど、いろいろあります。平成28年6月3日に公布されましたが、施行時期は分かれています。裁量保釈判断に当たっての考慮事情の明文化などは、6月23日施行でした。取り調べの録音・録画などは準備の関係からか、2019年6月までとされています。 平成30年6月1日からは、いわゆる「日本版 司法取引」が始まります。これは自分の罪を認めるのと引き換えに、刑を軽くしてもらうのではなくて、被疑者(容疑者)・被告などが検察官との間で、他人の罪を明かして、自分の刑罰を軽減してもらう取引に合意できる制度です。その取引の協議や合意には必ず弁護士の立ち合いが必要です。取引の対象は経済犯罪や組織犯罪などです(たとえば、覚せい剤の仕入れルートなどの関係者についての情報を明かすことなどが考えられます)。 また「刑事免責」の制度も始まりました。これは、刑事裁判の公判で、証人が、訴追に使わないことを条件に、証言を強いることが出来る制度です。検察官の求めに応じて、裁判官が適用するかどうかを決めます。 こうした今までにない制度は実際に運用してみないと分かりませんが、冤罪を増やすなどいろいろな批判もあり、問題点も多いので慎重な対応が求められるのでしょう。  

16 09, 2016

接見交通について

1、接見交通権とは 分かり易く言えば、未決拘禁者が、弁護人等と面会して事件に関して助言を受けたり、教えてもらったりなどして援助を受けるために認められた権利です。刑事訴訟法39条に規定があります。 身体の拘束を受けている(逮捕勾留されている)被疑者・被告人は弁護士等(弁護人となろうとするもの)と立ち会いなく接見できる権利です。また、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」にも刑事収容施設に拘禁されている者について、面会に関する規定があり(同法115条以下)、弁護人以外の者との面会には立ち合いがあることも規定されています。 接見などは、逮捕されるようなことはしないから無関係だと思われるでしょうが、痴漢と間違われたり、人違いで逮捕されたりすることもありうるので、必ずしも無関係ではないかもしれません。 2、接見交通の場での写真撮影について 接見中の弁護士が、被拘禁者が発作を起こしたのを見て、精神鑑定の証拠にしようと考えて、所持していたカメラで撮影しようとしたところ、これに気付いた係員から退室を求められ、接見を中断されたので、その損害に対して国家賠償の請求をした訴訟について、平成27年7月9日東京高裁判決では、弁護士が接見時拘禁者の写真撮影することは、接見の概念に含められないとして、訴えを棄却しました(1審では収容法違反として10万円限度で認めた)。実際、私ども弁護士が接見室へ入る時も、スマホ、携帯電話はロッカーへ預けるよう求められ、写真撮影は認められません。判例は写真撮影は証拠保全が可能だから、その手続きに従えばよいと考えているようです。しかし、発作が起きた状況などは、その時その場でしか撮影できません。しかもスマホ一つで簡単に動画も撮れるので、取り調べでさえ録音録画される現在、これを禁じるのは時代に逆行する発想と感じます。写真撮影が証拠隠滅につながるなどと言うのであれば、その対策を講じた上で認めることは可能と思います。中央大学法科大学院の客員教授の横井弘明氏が、ある論文内で、弁護人による接見室内での写真撮影は許されるべきであると述べておられるのを読んで意を強くしました。 3、最近の判例について その後同種判決を見ますと、平成28年5月13日佐賀地方裁判所の判決(平成25年「ワ」365号)も、一部認容一部棄却で、写真撮影制止は違法違法でないが、接見交通の侵害があるとして一部の損害賠償を認めています。内容を見ますと、写真撮影が罪証隠滅につながるとか、保安上の問題があるという被告側の主張より、写真撮影は接見における情報交換の手段の一つであると言う原告(弁護人)側の主張の方が説得力があると感じました。

27 03, 2015

会社法改正について

 平成26年6月20日会社法の一部を改正する法律が成立し、平成27年5月1日施行予定です。内容を見てみますと、取締役の恣意的な経営へのお目付け役、第三者委員会的な役目を社外取締役にさらに強く期待しているように感じます。  1、社外役員(社外取締役・社外監査役)の独立性を高めるために、その資格が見直されました。従前の要件に追加して、社外役員が、〇親会社等の関係者でないこと。 〇親会社等の子会社の業務執行関係者でないこと。〇経営者等の配偶者・二親等以内の親族でないことも含められました。社外役員を選任している会社は今一度その資格を見直す必要があります。過去10年以内にその会社や子会社の業務執行取締役等でなかったとしても、親会社関係者では、十分な独立性が確保できないと確保できないと言うことでしょう。 社外取締役の存在しない上場会社では、株主総会において、「社外取締役を選任することが相当でない理由」を説明する義務が生じます。これは単に適任者がいなかった程度の単純な理由ではなく、相当厳しい理由を予定しているとみられます。実質的には社外取締役選任の義務付けに近いものかと思われます。  2、100%出資子会社がある会社については、親会社の発行済株式の1%以上の株式を有し、かつ6か月以上継続して保有している株主は(定款で株式の譲渡制限をしている場合は除く)、その会社の100%子会社(内国子会社)の役員に対して株主代表訴訟を起こせることになりました。これは最近100%子会社が増えてきたことに対応するもののようです。  3、定款で、監査役の監査の範囲を会計監査に限定している場合、その会社では会計監査のみに限定してる旨を登記することになりました。  4、主として上場会社に関係することですが、「監査等委員会設置会社」と言う制度が新設され、従前の委員会設置会社は「指名委員会等設置会社」と名称変更されました(指名委員会等とは指名委員会・監査委員会・報酬委員会)。その内容や監査役会設置会社との関係、社外役員の数などにも詳細規定がありますが、長くなりますので、今は触れません。   以上の他にも改正点があり、広範囲に及ぶ改正です。

8 10, 2013

犯罪被害者に対する支援

犯罪被害者に対する弁護士による支援について 1.犯罪被害者とは 犯罪被害者とは犯罪によって被害を受けた人のことですが、直接被害を受けた方はもちろん、そのご家族も含まれます。しかし、適用される法律によっては、いかなる犯罪の被害者でも含むかどうは、違いがあります。例えば、犯罪被害者給付金の支給を受けられるのは、

8 10, 2013

会社のコンプライアンスと企業統治

1.コンプライアンスと企業統治とは? 企業コンプライアンスとはコーポレートガバナンスの基本原理の1つと言われます。 「コーポレートガバナンス」とは一般に「企業統治」と訳されています。企業統治とは、企業の不正を防止して、収益力等の向上を図ることなどを総合的にとらえて、企業価値全体の増大を測る仕組みということです。その中にあって、基本となる「法令順守」がコンプライアンスです。 2.コンプライアンスの重要性 企業統治は企業価値増大、コンプライアンスはその中核でどちらも大事です。コンプライアンスは狭義の法令のみならず、社会倫理や企業倫理も含めた広義にとらえると分かり易いと思います。狭義にとらえる考え方もありますが、脱法行為など企業の信用を失墜させるモラル違反のリスクも考慮されるべきだと考えます。 平成27年3月27日の大塚家具の株主総会は注目を集めました。その中で同社会長は「社長が企業統治を間違えた」等発言されたようです。一般には、会長と社長の対立は企業の経営方針を巡る見解の対立かのように言われましたが、それがひいてはコーポレートガバナンスに対する考え方の相違でもあったようです。 このように、企業統治は会社にとって大きな問題です。また、コンプライアンスについては、「みずほ銀行」の暴力団関係者への融資問題やホテルのメニュー表示の誤表記が社会問題となっていました。こうした違反行為があると、企業は絶大なダメージを受けます。各社とも役員がいろいろな社内処分を受けることになりました。そうした事態に至らぬように、会社にあっては、関連する法規を守って(会社法・民法・刑事法・労働法・各種の業法・その他一般法規順守)、従業員全体にもこれを徹底させねばならないという内部統制システムの構築義務が課せられるのです(会社法348条4項・362条3項)。取締役ないし執行役員、監査役などには善管注意義務や忠実義務が課せられます(同330条・355条・会社法施行規則98条・金融商品取引法24条の4の4)。今回の会社法改正などもコーポレートガバナンスを重視して、社外取締役などによるチェック機能働かせようと意図しているようです。ちなみに、前述の大塚家具では取締役10名のうち6名が社外取締役と報じられていました。 3.コンプライアンス違反事例 最近の事例では、東芝の不正経理を巡って、平成27年12月5日に株主50名が不正会計のために株価が4割近くも下落して損害を被ったとして、損害賠償を求めて提訴したと言うことです。今後大阪や福岡でも同様の株主による提訴が予定されているそうです。また、旭化成建材の杭打ち施行データ改ざんに関しても問題になっています。原因究明が追及されているようですが、会社のモラルの大切さを真摯に考えるべき時ではないでしょうか。 4.内部告発と公益通報者保護法 会社内部のものが、組織ぐるみの不正を是正してもらうため監督官庁などへ告発することを内部告発と言いますが、このように公益のための行為であっても、企業側にとっては、会社にたてつく不都合な人間として、退職を迫られたりすることがあります。そこで、こうした内部告発者を守るために、2006年4月1日に公益通報者保護法が施行されました。 大阪弁護士会でも、公益通報者サポートセンターを設けております。ただ、現在この法律が十分活かされているかというと、告発を受けた官公庁の側で必ずしも適切な対応ができているとは言い難く、告発者の氏名を簡単に企業へ通知してしまったりするとか、告発を受けながら放置したままで何の対応もしていないなど、不適切な事例が散見されるのは残念なことです。

8 10, 2013

交通事故

1.自動車による交通事故 事故で最も多いのは自動車による交通事故です。加害者・被害者の各立場に応じて対応を考えねばなりません。 さて、今回は、交通事故の損害賠償について、問題とされる事項の一つを見てゆきます。

8 10, 2013

脱税事件について

1.脱税と租税回避について 脱税とは違法不正な手段で納めるべき税金を逃れること。 節税とは法に背かず、法律的な知識などを駆使して、税額を低く抑えること。 租税回避は簡単に言えば、それらの中間的な概念で、完全に違法ではないが、 通常とられることがない手段方法で税額を低くするものを言います。

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